「今日は早いですね」

薄ピンク色のエプロンをつけた優衣が、私に微笑みかけた。

「ちょっとな」

私は微笑んだ。

食卓に、朝香の姿がなかった。

「朝香は?」

私は聞いた。

「遅くなるみたいです」

優衣が言った。

「そうか」

私はちょっと残念そうに言ってみせると、リビングを出た。

寝室で着替えを済ませると、再びリビングに戻った。

私と優衣の2人だけの夕飯。

囲んでいる食卓が広く感じられた。

そう思いながら、私は椅子に座った。

優衣がご飯と豚汁を装ってくれた。

「いただきます」

声をそろえて言うと、私は箸を持った。

ご飯を口に入れると、じゃがいもを1つつまんだ。