永遠の君に

「優衣ちゃんは意外と、お父さん子なんだね」

私は言った。

「早くに父を亡くしたから、きっと重ねてしまうんですよ。

父と君塚さんを」

胸の中で、優衣が言った。


食事に行くため、私は優衣を乗せ、車を走らせた。

信号待ちをしながら、「どこへ行こうか?」と話をしていると、優衣の表情がこわばった。

「優衣ちゃん?」

私は声をかける。

彼女の表情はますますこわばる。

何を見ているのだろう?

そう思い、私は彼女の視線の先に目をやった。

そのとたん、私の中で何かがプツンと音を立てて切れたような気がした。

視線の先に、朝香がいた。