永遠の君に

「仕方ない」

呟くと、私は寝室を後にした。

誰だって時間が経てば、年をとってしまうのだから。


キザっぽく、私は花屋で薄ピンク色のバラを1本買った。

車で優衣が通う高校に向かうと、校庭は人でごった返していた。

もう終わったのか。

そう思いながら、私はバラを持って車から降りた。

校庭の隅で優衣を探した。

彼女の姿はあっという間に見つかった。

皆と同じ紺のブレザーを着ているだけなのに、その中でも優衣が一番目立っているような気がした。

優衣も私に気づいたらしく、駆け寄ってきた。

人懐っこい笑顔に、私は微笑んだ。

「卒業おめでとう」

私はバラを渡した。

「ありがとうございます」

優衣はそれを受け取った。

恥ずかしそうに、ちょっと嬉しそうに微笑みながら。

私は愛しく感じながら、彼女の笑顔を見ていた。