今すぐ断ち切らなければ、ならない…。

朝香が、私の目の前にきた。

私の妻になる人が、目の前にいる。

“朝香は私の妻で、優衣は私の娘”

そう何度も自分に言い聞かせる。

そう言い聞かせなければ、自分が崩壊するような気がした。

音を立てて、躰がバラバラになるような気がした。

指輪交換と誓いを終えた。

その2つの行為が、私にとって長く感じた。

ステンドグラスの聖母マリアをバックに、私と朝香は唇を重ねた。

優衣への思いを断ち切るように――。