1軒目に靴専門店から始まり、化粧品の専門店、紅茶の専門店……
ハイブランドのショップへと次々と廻り、
さすがに疲れ切った俺は、ストライキを強行した。
「ちょっとぉ~~っ、どこ行く気よ~~」
俺の姿が無いのに気づいたみかは、カフェへと入る俺を追いかけて来た。
「いい加減にしろ」
「………ごめん」
さすがに悪いと思ったのか、それ以上は文句も言わず珈琲を注文した。
本当に久々の買い物だったのかもしれない。
まぁ、だとしても、さすがに俺だって疲れるし。
休みを挟んでくれたら、付き合えないこともないけど。
ちょっとばかり不機嫌な顔して視線を逸らせていると。
「あと3軒で我慢するから」
「フッ、まだ3軒もあるのかよ」
「仕方ないでしょ?ダーリンとダーリンの両親にも買って行かないと」
「………それは外せないな」
「でしょ?」
「調子に乗るな」
「………ごめん」
みかは手帳を取り出し、買い物リストらしきものをチェックし始めた。
そこには、自分以外のものが結構多く書かれていて、
家族想いだということが理解できる。
「旦那は珈琲好きか?」
「ん?………うん、結構濃いのが好きだけど?」
みかの返答を聞いた俺は、店のカウンターへと向かう。
俺らが入った店は、店に飾られている器が買えるという事もあり、
俺は店員にプレゼント用をお願いした。
以前、彼女にプレゼントした器もここで買ったもの。
小さなフランス菓子を入れる器がクリスタルで出来ていてとても綺麗で思わず購入したんだ。
そんな事も思い出しながら、店内をぐるっと見渡していた。
「京夜、ありがとね」
「おぉ」
店を後にした俺らは、荷物を運転手(御影の運転手)に預け、残りのショップを目指した。



