オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ



深呼吸した私は、

静かに肌掛け布団の端をつまみ

それをゆっくりと持ち上げて、

出来るだけ振動をさせないように体を忍ばせた。



















彼の隣にーーーーー



















普通ならベッドが軋むし、

潜り込んだら体が触れ合うだろうし、

そもそも、布地の擦れる音で気づかれる。



だけど、彼は深酔いしてるし

特注のキングサイズのベッドな上、

安物の寝具じゃないから、ガサガサした音は一切出ない。







勇気を出して手を伸ばす。

けれど、彼の体までは届かない。





緊張のあまり、今にも心臓が止まりそうで。

駆け引きが出来るほど、私には経験が無い。

だから、出来る事と言えば、ただ突き進むだけ。








じわりじわりと体を滑らせ

漸く彼の気配が感じられる場所に辿り着いた。


















そこは、シトラスのボディーソープの香りと

アルコールの香りが絡み合う、…………特別な場所。