オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ



沢山のフラッシュがたかれる中、無事にテープカットも終え

オープニングセレモニーが幕を閉じた。

そして、残るは囲み取材のみ。

京夜様の話ではおよそ5分くらいだと言う。

それでも、何が起こるか分からない。

私は移動する間も気を抜かず、彼の傍から片時も離れずにいないと。


セレモニー会場を後にする私達に容赦なく向けられる質問の嵐。

挙式日を非公開にしている為、いつ入籍するのかと質問が絶えない。

更に、結婚後も公私ともに彼を支えるつもりの私。

仕事を続ける意向を先日雑誌の取材で伝えていた。

その件においても質問が次々と降って来る。

京夜様からは笑顔で頷くだけでいいと言われていた為、私は終始笑顔で貫くのみ。


用意された場所での囲み取材。

報道陣の質問には、全て京夜様が答えて下さった。


「では、そろそろお時間ですので……」


空港職員の言葉が合図に、一斉に御影の護衛が姿を現した。

それを合図に私と京夜様はカメラに向かい深々とお辞儀。

どんな時も礼節を尽くすことを忘れない。


私達は護衛に囲まれながら、

空港職員の誘導でStaff onlyと書かれた扉へと歩き出した。

ビジネスマンの顔から一瞬、素の顔を覗かせた彼。

それでも、報道陣のカメラが向けられている以上、気を抜けない。

しつこく投げかけられる質問にも彼はクールな表情で上手く交わし、

いつも通りの大きなストライドで優雅に歩く。


そんな彼の後ろ姿を見据えながら、

胸の奥で彼との幸せな未来を思い描き、思わず頬が緩んだ、その時。


眩い光を放つストロボに一瞬反射した小さなものを視界に捉え、

私の体は、………無意識に反応していた。