オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ



私達が式典の会場に到着すると、程なくして式典開始のアナウンス。


まず初めに国際線新ターミナルの紹介がなされ、代表取締役社長が挨拶を。

その後、私達を含む来賓者が紹介されると、再びフラッシュの嵐に。

眩し過ぎて目を開ける事すら儘ならない。

しかめっ面は御影の印象を悪くする為、

私は目を細め、微笑してカモフラージュをする。


京夜様は、スタッフの誘導で中央の祭壇へと上がってゆく。

宮司による祝詞奏上、お清めの儀。

そして、玉串奉奠を経て無事に竣工式が執り行われた。

残すところはテープカット。

そのまま祭壇上でテープカットをするものと思っていたら、

スタッフの誘導で祭壇を下りて来た京夜様。


祭壇の南側に白い布で覆われた一角がある。

今日はプレオープンとあって、

まだ準備が整っていない箇所かと思ってたその場所へと誘導されていく。


入場制限されてはいるが、一般客も結構いる。

そんな人々の視線が向けられている間、

私は会場にいる人々へとさりげなく視線を移し、

怪しい行動を取る人がいないか余念がない。


今のところ、怪しい人はいなそうね。

安堵のため息を吐いた、その時。


「それでは、空の玄関であります、この新ターミナルの開港を祝しまして…………」


司会者が満面の笑みを浮かべ白い布で覆われた場所へと手をかざすと、

数名のスタッフが勢いよく覆っている白い布を剥ぎ取った。

すると、会場は一瞬時間が止まったかのように静寂に包まれた。

次の瞬間、どこからともなく歓声が沸き上がった。