「心配すんな、俺を誰だと思ってる」
「でも……」
「お前は何も考えず、花嫁修業でもしてろ」
「ッ?!/////」
「この俺様を満足させられるように、精々頑張るんだな」
口調はぶっきら棒だけど、
これ以上無いほどに優しい笑みを浮かべた彼。
しかも、頬に触れる指先は
壊れ物を扱うみたいにとても繊細にそっと触れる。
あなたのその言葉、
私は信じてもいいんですよね?
照れ隠しなのか、彼はさっさと自室へ行ってしまった。
そんな彼の後ろ姿を眺め、決意を新たにする。
京夜様に人生の伴侶として選んで貰う為に。
京夜様のご両親に嫁として受け入れて貰う為に。
京夜様の隣りに立っても見劣りしないような
………相応しい女性にならないと!!
そして、彼の胸に何の躊躇いも無く飛び込む為に。
私の花嫁修業は、この時………幕を開けた。