オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ



初めての宅訪問。

そして、初めての顔合わせでの食事。

緊張せざるを得ないこの状況下で、何故か俺は楽しくて仕方ない。


こんな風に食事をしながら他愛ない会話をした事がない。

話題に上がるのは自社の売り上げの報告やら株価の話。

食事の時だって眉間にしわを寄せて。


こんなに楽しい食事は初めてかもしれない。


「京夜さん、お味はどう?」

「あ、はい。凄く美味しいです」

「粗末な物ばかりでごめんなさいね。希和が、我が家の味をって言うものだから」

「とんでもないです。とても優しいお味がして、本当に美味しいです」


お世辞抜きにして、本当に頬が落ちるほど美味しくて。

彼女が料理上手なのも頷ける。

毎日こんなに楽しい食事なら、

仕事を早く片付けて帰宅したくなるだろうな。



お銚子3本ほど頂き、そろそろ限界が来た。

彼女が言うように、明日二日酔いになっては大変なことになる。


俺はそっと視線を彼女に送った。

すると、彼女はスッと立ち上がり、キッチンへと。