オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ



「はぁ~い、京夜さん。こごみとわらびね~」

「っ!?……………有難うございます」


とうとう奴らのお出ましだ!

カラッと風格のある衣を纏った奴ら。

俺を嘲笑うかのように美味しそうに見える。


因縁の対決をする時がやって来た。

俺は奴らをじっと見据え、生唾を飲み込んだ。

すると、


「大丈夫ですよ、京夜様」


再び耳元で呟く彼女。

何を根拠に大丈夫だと言うんだ?


俺が口にするのをじっと見つめる母親。

もはや、回避する策は無さそうだ。

俺は白幡を上げ、わらびに箸を伸ばす。


「ん?」


おぉ?

あれ??

こいつは、わらびだよな?

何かがおかしいぞ?

今までなら口の中に入れても嚙む事さえ出来なかったのに

気付いたら、飲み込んでいた。

………どういう事だ?

わらびの味に呆気に取られていると、


「ね?………大丈夫だったでしょ?」


ウフフッと、含み笑いをする希和。

そんな俺らの様子を見てた母親は勘付いたようだ。


「京夜さん、山菜がお嫌いなの?」