オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ



良い事ばかりでは無い。

彼の言動一つで、世の中がガラリと変わるのだから……。


「京夜様」

「ん?」

「宜しかったのですか?」

「何が?」

「その………、あのような形で公にして……」


沢山のお金が費やされた事も心配だけど、

彼の財力ならば何の問題もないはず。

心配なのは、私との関係をバラしても良かったのだろうか?という事。

いずれ公表すると伺ってはいたけど、

あんな形で公にするとは思ってもみなかったから……。


数分前の出来事を思い返すと背筋が凍る。

きっと今頃、ネット上に情報が飛び交ってる筈。


溜息交じりに恐る恐る視線を彼の方に向けると、

不意に彼の手が私の手に重なった。


「問題ない」

「………本当ですか?」

「あぁ」

「本当にホント?」

「しつこい」

「ですが……」


不安で堪らない。

衝動的とは思えないから、確信あっての行動だとは思うけど。

それでも、不安は拭いきれない。


ハンドルを握る彼の横顔をじっと眺めていると、

ギュッと彼の手に力がこもった。

そして……。