オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ



自宅へ向かう車内で……。


「あの……」

「何だ?」

「その…………色々と有難うございました」


成り行きがどうであれ、結果として、お気遣い頂いたのだから。

オーディオの青白いライトが照らす彼の横顔を眺めていると、


「悪かったな。出過ぎた真似をして」

「え?あっ、いえ、とんでもないです」


苦笑する所を見ると、私の心境は察しているようだけど。


「“同窓会”というものがどういうものか、一度見てみたかったんだ」

「へ?」

「今まで出席した事がなくてな……」

「どうしてですか?」

「解るだろ?“御影”というだけで、群がる害虫どもが……」

「…………はい」


私が学生らしい学生生活を送ってないように、

彼もまた、普通の生活を送れなかったのかもしれない。

ううん、違う。

学生生活だけじゃない。

生まれてこの方、心休まる時が無かったのかもしれない。


「京夜様のお陰で、物凄く盛り上がりましたよ?」

「本当か?」

「はい。ビンゴゲームなんて、皆目の色変えてましたから」

「フッ、…………そうか」

「でも………」