「三次会に行く人~?」
そろそろ二次会もお開き…という時間で、幹事の子が各部屋を回り始めた。
朱夏と共に一足早く部屋を出た私は、通路に出てやっと一息出来た。
「希和、大丈夫?」
「うん」
朱夏に背中を撫でられ、深呼吸した。
だって、悪い事してる訳じゃないのに物凄く後ろめたくて。
余分な事を口走るまいと無意識に無口になり、手持ち無沙汰にチューハイを仰いだ。
元々お酒に強くない私は、緊張という悪い魔法にかけられて、悪酔いしてしまったようだ。
大人数でロビーに集まれば、それこそ息苦しくなる。
それを予想して、一足先に部屋を後にしたのだが……。
「えっ、えっ?!どういうことですか?!」
「ですから、皆様のお会計は、既に済まされているので、お支払いして頂く必要がないという事です」
「「はぁ~~?!」」
既にフロント前には、精算を済ませようと幹事の子が二人。
だが、一足遅かったみたい。
どこぞの気前のいいお方が、物凄い金額をサラッと支払ったようで……。
って、誰かだなんて、一目瞭然じゃない!!
「……希和」
「頭痛くなって来た……」



