すっかり陽が沈んで、肌寒くなった頃。
ショッピングモールを後にし、
ドライブがてら湾岸線に愛車を少し走らせた。
「希和」
「はい?」
「他に何かして欲しい事は無いのか?」
「えっ?」
「お前は我慢し過ぎだ。たまには我が儘を言って俺を困らせてみろ」
「ッ/////」
助手席ではにかむ彼女。
黒目がちな大きな瞳で俺を捉える。
手を伸ばせばすぐに触れられる距離に彼女がいるというだけで
こんなにも満たされるのだと、心の底から倖せを感じた。
すると、
「では、少し風に当たってもいいですか?」
「あぁ、近場で止めるな?」
「はい」
駐車場に車を停め、海風に当たる。
ブラウス1枚だと寒いと思い、
車から彼女のトレンチコートを出して肩に掛けると。
「あっ、ありがとうございます」
「どう致しまして」
コートが海風に飛ばされないように、
彼女の肩をそっと抱き寄せた。
「今日は楽しかったな」
「はい!京夜様は、何が1番楽しかったですか?」
「ん~全部と言いたい所だが、お前が男に色目を使った以外は楽しかったな」
「ッ!!あっ、あれは色目を使ったんじゃなくて……」
「じゃなくて?………ん?」
俺はここぞとばかりに顔を近づけ、



