そうだよ・・・。
始めて会う人がアタシの名前なんて知ってるはずない・・・し?
なんてグルグル頭の中で考えてたら。
「先生が言ってたんだよ。
花園 花梨!いないのか~?寝坊じゃないだろーな?入学早々寝坊はないだろーなぁって。すんごいいじってたから自然と名前覚えた。」
なんてニカッと笑った。
その爽やかな笑顔に私の胸が鳴った。
でも、同時にアイツじゃなかったんだ。
なんて残念に思っている自分がいた。
良く考えたらこの学校サッカー部ないし、
後々考えたら、アイツがここにいるわけがない。
そんなちょっと考えたら分かることも、
今のアタシには分からないほど、
テンパっていたんだと思う。
もしアイツだったら・・・
なんて変に期待して。
「花園?」
「あ・・・ごめん。ちょっとボーッとしちゃって。」
「まさか本当に寝坊だったりして。」
「ちっ違うよ~!もー失礼だなぁ。」
とごまかした。
「だよな~そういえば名前言ってなかった。
俺、高嶋 弘毅。よろしく~!って今から入学式じゃん。忘れてたー!
やばっ!花園並ばないとっ!」
アイツと話してるみたいだった。
だからか、話しやすくて入学式だって事も
忘れてしまっていた。
高嶋君の方は隣の男子と話してる。
内容はアタシの席からじゃあよく聞こえなかった。

