君のおかげで






「はよー」



高橋和也(たかはしかずや)17歳。


平凡な毎日を送ってる男子高校生。




「和也!はよー」



こいつは俺の親友。

原田慎(はらだしん)17歳。


小学校からの仲で、友達の中で一番信用できるやつ。



「今日も彩華ちゃんと一緒に登校か?」


山中彩華(やまなかさやか)16歳。


一個下の俺の彼女。


かわいいし、優しい。




「あんなかわいい子が彼女とか羨ましすぎるだろ〜」



「お前も彼女いるじゃん」



「いるけどさ、そんなにかわいく…」



「そんなに何?」



慎の話しをさえぎったのは、慎の彼女の今川さくら17歳。



「さくら!!」



「慎くん、今なんて言おうとしたのかな?」



「別になにも…」



「さくらより俺の彼女のほうがかわいいってさ」



「ちょ、和也!」



俺がさくらに告げ口し、焦る慎。



「慎くーん、どういうことかな??」



「すいませんでした」



俺は思わず笑ってしまう。


この2人のやりとりってすげぇおもしろいんだよな。



実際この2人、もう付き合って2年だしすごい仲がいい。




「お前ら、お互いに大好きだよなー」



「和也だって、彼女ちゃん好きでしょ?」



さくらが聞いてくる。



「彼女のことは好きだけど、お前らほど夢中になれてないっていうか…」



「そーだったのか」



ひどいこと言ってるっていうのはわかってる。


けどこれが本当の気持ちなんだ。



「まあ、いいんじゃない?気持ちは人それぞれだし。これから、どんどん夢中になっていくかもしれないんだし」



「でも付き合ってるなら、彩華ちゃんを不安にさせるなよ!」



この2人は本当にいいやつ。



俺の言ったことには、肯定してくれて、でもちゃんと意見もくれる。


本当にためになる。












2人が自分の席につき、俺は1人考えていた。




俺はこの先、彩華と付き合っていくのか?



さくらはこれから夢中になっていくのかもしれないって言っていたけど…


今なってないのにこの先夢中になるのか?