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しばらくの間座って泣いていた。
落ち着いてきたからそろそろ戻ろうと腰を上げたとき、足音が近づいてきた。

「…………?」

さすがにあの中で飛び出したから誰も追ってこないはず……

数秒後、足音の主が顔を出した。

「やっと……見つけました」

少し薄暗かったけれど声で誰かわかった。
走っていたのか少し息が乱れているみたいだ。

「桜井くん……?」
「はい」

今なら……言える?

でも私は反対に向かって走り出した。

「星野さん?!」

今は無理だ。
さっきまで泣いていたから目が腫れてるし、何よりこの格好。ジャージだよ?

こんな格好で言ったって……

「待ってください……!」

来ないで、お願いだから。

「星野さん……っ!!」
「ごめん、今は無理!!」

でも、少しずつ距離は縮まってきている。

「はぁ……はっ…………待って!!」
「や……!」

とうとう追いつかれて腕をつかまれた。