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息を整えてから教室の引き戸を開けた。

「桜井くんごめんね、お待たせしました」
「大丈夫ですよ、そんなに待っていないので」

そんなにって言ってるけどきっと20分弱は待ってくれていると思う。
本当に申し訳ない……

「えと……」

どうしよう、先に言った方がいい? でも、桜井くんが用事あるって言ってたし……

数分間の沈黙が続いた。

「「あの……あっ……」」

2人ともかぶってしまった。

「さ、桜井くん先にどうぞ」
「あ、はい あの……火曜日の事なんですが……」

事故のこと……?

桜井くんのことだから謝ってくるのかなって思った。
でも、違った。
次に彼の口から発せられたのは今から告白しようという私にとって心に刺さる一言だった。

「あれは“友達”の間で起こった事故なので気にしないでください 僕ももう気にしていないので」

友達……? 桜井くんが私のことをそうとしてしか見てないなら今告白したって結果は……

そう考えるとすごく辛くなってきた。今にも……泣きそう

「星野さんの用事は……?」
「あ……私は、大丈夫だよ もう気にしないから 今まで通りよろしくね?」

大丈夫のあとはもう一気に言った。
顔を見ていると涙が溢れてきそうで、一刻も早く教室から出ていきたかった。