「葵ちゃん」
「ん? あ、笠見くんどうかしたの?」
「さっき桜井と目合わせた瞬間顔そらせてたけど何かあった?」
「え、な、何もないよ?」
笠見くんがジッとこっちを見てくるから冷や汗が止まらない。
だって、あんな事言えるわけないじゃない……
「本当……? まぁ、何かあればいつでも相談してよ」
「うん、ありがとう……」
練習が再開して笠見くんは戻っていった。
「さすが笠見くん……するどいなぁ」
大丈夫、今までバレてないし、そういう事があるなんて誰にもわからないはず!!
……と思っていたが案外と部員は葵が桜井を好きなことを知っているのであった。

