「ねぇ、お願いがあるんだけど…」 沈黙だった車内に、私の声が響く。 「ん?」 「鍵、合鍵くれない?」 「なんで?」 「ダメなの?何かやましいことでもあるの?」 「ないけど」 「じゃあいいよね?」 「でも今持ってない」 「いつでもいいよ。今度もらいに行く」 「わかった」 家に着いたので車を降りた。