ショータが唇を離し、耳元で囁いた。
「いいよね?」
え……?
私、ショータと…するの??
何も答えずいると、ショータは離れて正面を向いて座り直した。
「ちえさん」
ショータが口を開いた。
「もっとガード固くした方がいいよ。ちえさん。すぐヤられちゃうよ?」
「ぁ…はい…」
「大体さ、知らない男の車に乗り込むのがいけないんだよ。なんにも考えてないんだね」
「ごめんなさい…」
「謝れなんて言ってないよ。旦那いるのに知らない男と2人っきりになるなんてどうかしてるって忠告してあげてるんだよ。ちえさんに何かあったら社長泣くよ?」
「はい…」
「社長もう家に帰ってるんじゃない?送ってくよ」
そう言って車を発進させた。
ケンは一緒に住んでないこと、みんなに言ってないんだ…。
私、これからケンの部屋に行くんだ…。
いきなり行ったら驚くよね。
でもここは、一緒に住んでないって言わない方がいいかもしれない。
ケンが言ってないんだから、私が余計なこと言っちゃダメだよね。
