「あの…!」
「何?」
「知らない間に嫁がクラブに行ったって知ったら、主人はどう思うと思いますか…?」
「社長に内緒なんだ。へぇ〜。言えないようなことしてるんだ?」
「いえ!そんなことはしていません!でも、その、主人が知ったら、あまりよく思わないかもなって…。それこそ何もしてなくても、何かやましいことしてるんじゃないかって疑われちゃうかもしれないですし…」
「俺は言わない方がいいと思うよ」
「ですよね。じゃあショータさん…」
「内緒にしてくれって?」
ショータが身を乗り出して私の顔を覗き込んだ。
「はい…」
「わかった」
「ありがとうございます」
「その代わり」
ショータが右手の人差し指と中指で、私のアゴをくいっと上げた。
「え…」
次の瞬間、ショータからキスをされた。
不覚にも、柔らかい唇が心地良かった。
キスなんていつぶりだろう…。
