「え…あの、ごめんなさい。どこでお会いしましたっけ?私、覚えてなくて…ごめんなさい」
「覚えてなくて当然だって!だってあの時しか会ったことないんだもん。ってか会ったと言うより、俺が見たって言った方が正解かな」
「どういうこと?」
「俺、高橋社長の部下っす!社員。社長にはいつも良くしてもらってるよ〜!ちえさんを見たのは、結婚報告のときだけだから!」
なるほど…。
社員さんだったのね。
どおりで知らないはずだ。
「主人がいつもお世話になっております」
「ちえさん見た目ギャルだから、そんな丁寧な言葉似合わないよ」
ははは、と笑うショータ。
ショータがなぜ私のことを知っているのか。
そしてなぜ私はショータを覚えていないのか。
これらのことがわかってスッキリ!
誰かと思ってドキドキしちゃった。
でも、私がクラブに行ったことをケンが知ったらどう思うだろう…。
