「ちえさん?」 ショータに連れられて、たくさんの男女の間を裂きながら進んだ先は外だった。 冬の夜はすごく寒い。 風が当たって顔が痛い。 「寒い…」 「あっ…ごめん!ちょっと待ってて、車持ってくるから!」 ショータは私を解放し、走ってどこかへ行ってしまった。 2〜3分して、1台のワゴン車がこちらに向かって走ってきた。 私の目の前で止まったその車の、助手席のドアが開いた。 「乗って」 運転席から腕を伸ばして助手席のドアを開けているショータの姿が見えた。 寒いからとりあえず車に乗った。