「お待たせ〜!」
バイトが終わり、エイコと合流した。
「お疲れっす!ウチ車出すんで、乗ってください!」
「いいの?ありがとう」
エイコの車の助手席に乗った。
見た目とは裏腹、彼女の車はいたってシンプルだった。
何もいじっておらず、買ったまんまな感じの小さな軽自動車だった。
「ちえさんって、クラブ行ったりするんスか?」
ハンドルを持ち、前を見たままエイコが口を開いた。
「最近は行ってないけど、前は毎週通ってたよ」
「まじスか!?やば!」
何がやばいのかはわからないが、これが彼女の口癖。
「でも私、クラブ好きじゃなくてさ〜。それなのに毎週行ってたの。おかしいよね〜」
「好きじゃないのに行ってたんスか?やばいですね!」
「でしょ。やばいよね〜」
あまりにも彼女がやばいを繰り返すもんだから、移ってしまった。
