「着いたぞ」
着いたところは、とあるビルだった。
「ここは…?」
「俺の会社」
「えっ!?!?」
この高いビルが、ケンの会社…??
小さい会社って言ってたよね?
全然小さくないんですけど…。
「日曜日だけど働いてる社員はいるから」
「そうなんだ…」
状況が全く読み込めないまま、ケンの後をついて行く。
ケンがオフィスのドアを開けた。
日曜日だからか、ところどころ空席が目立つ。
しかし、それでも30人程はいるだろう。
「おはよう」
『おはようございます』
ケンが一言挨拶しただけで、皆ケンを見て手を止め立ち上がった。
「どうぞ掛けてください」
『失礼します』
またケンの一言で、皆一斉に椅子に座った。
けれど手は動かず、じっとケンを見ている。
ケンがマイクを手に取った。
「皆さん、今日もお勤めご苦労様です」
そう言うと、皆軽く頭を下げた。
「皆様にご報告があります。私事ではございますが、この度結婚いたしました」
オフィスから拍手が起こった。
「ありがとう」
ケンが笑顔になった。
