着いたところは高層マンションだった。
部屋に入ると、ごく普通の男性の一人暮らしの部屋って感じ。
間取りは1LDK。
「こんな部屋でがっかりした?」
私の心を読まれているかのように、ケンが言った。
「もっと豪邸に住んでるかと思った!意外と普通なんだね!」
「1人だから広くても無駄だしな」
「そっか!」
コートを脱いで、ソファに座った。
座り心地のいいソファ。
部屋は普通だけど、やっぱり家具にはお金かけてるんだなあ。
「風呂入る?」
ケンが聞いてきた。
「あ、うん」
「もう入れるよ」
「えっ!?」
今来たばかりなのに、もうお風呂沸いてるの!?
「時間設定しとけば勝手にお湯が出るんだよ。優れものだろ?」
「すごい!今はここまで技術が発展してるんだね〜!」
「今は割とこういう家多いと思うけどな」
「え、そうなの!?」
全然知らなかった…。
うちが古いのかな?
「さ、入ろ入ろ!」
「うわぁっ!」
ひょいっとケンに抱えられ、そのまま脱衣所へと運ばれた。