部屋に戻ると、ケンはテーブルに紙を広げて何か書いていた。

仕事の書類かな?




「はい、紅茶」

「サンキュー」

「あっ…!!」




テーブルに紅茶を置こうとしたら、カップを倒してこぼしてしまった。

どうしよう…書類が濡れてしまった。




「アツ!!」


「ごめん!」


ティッシュを何枚も出して、慌ててケンに渡した。



「どうしよう…私…」


ケンの大事な書類かもしれない紙を濡らしてしまった…ケンに迷惑かけてしまった…そう思ったら申し訳なくて泣けてきた。



「ちえ、泣くなよ」

「でも…だって…その紙、大事な書類じゃないの?…ごめん…なさい…」

「大事だよ。すげー大事!」


どうしよう…!
困り果てて号泣してしまった。




「おいおい。泣き過ぎ」


ケンが抱きしめてくれた。


ケンを困らせているのに、なんでこんなに優しいの…。