「一応、肩書き上はそうなります」
「でもまだお若いでしょう。いくつなの?」
「25歳です」
「25!?」
母は言葉が出ない、と言う感じだった。
父が再び口を開いた。
「ちえは私たちが大切に育てた娘だ。しかし出来は悪い。そんな娘でも、君はいいのか?」
「はい」
「ちえは社長夫人には適さないと思うぞ」
「いえ、ちえさんは美しく教養があり、そして素直です。これほど素晴らしい女性はいないと思います」
少し沈黙があった。
父は何か考えているようだった。
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