車に乗り、来た道と同じ道を走らせる。
一緒にいられるのも、あと1時間しかない。
途中、来た道とは違うところで曲がった。
おしゃれな街に出た。
その通り沿いにあったジュエリーショップに入った。
「なかなか会えなくてごめんな。お詫びになんか買ってやるよ!」
「え!嬉しい!いいの?」
高そうなお店…。
本当に買ってもらっちゃっていいのかなあ。
「いいよ。好きなの選びな」
お言葉に甘えて、店内を見てみた。
しかしその値段を見てびっくり!
「ケン…0の数が多いよ…」
「気にしなくていいよ」
「でも…」
「大丈夫だから」
ははは、と笑うケン。
わたしの1ヶ月の給料ぐらいの値段なんてザラで、それの何倍もする値段のアクセサリーがたくさん並んでいた。
値段が高くて決められないでいると、
「ちえ、これどう?」
とケンが指差した。
それは真ん中にダイヤが付いている指輪だった。
