「悪いんだけどさ、今日夜接待入っちゃった」


ケンが言った。



「えー!」

せっかく会えたのに。






「だからさ、夕方までしか一緒にいれない。そんでこのまま接待向かうつもりだから車で来た」


「そうなんだあ」


「ごめんな」


「しょうがないよ。接待も仕事でしょ?」


「仕事みたいなもんだな」





本当は行ってほしくない。

せっかく久しぶりに会えたんだよ?




…でも言えない。

ケンを困らせたくないから。





「とりあえず飯食い行くか!」

「うん!」





夕方までの限られた時間を、とにかく楽しく過ごそう。