コーヒーを飲みながらぼんやりと外を眺めていると、携帯のバイブが鳴った。


ケンからの電話だった。



「もしもし」

『もしもし。着いた』

「わかったー。今近くのカフェにいるの。そっち向かうから待ってて」

『うん』




なんだか会話も素っ気なくなってきた気がする…。

もう3ヶ月経つからかなあ。









カフェを出て駅に向かったけど、ケンの姿は見当たらない。

いつもならここに立っているはずなのに。




ブブブブブ…

再びバイブが鳴った。



「もしもし。どこ?」

『今日車なんだよね。あははっ!ちえキョロキョロしてる!』

「ちょっとー!何色の車!?」

『黒だよ。セダンの』



黒い車を探した。

う〜…5台中3台が黒だよ〜。
ケンどこ〜?



「黒ばっかでわかんないー!」

『ちえ観察面白い!』


電話越しでケンが笑っている。