「玲織奈は我慢するのが得意だから、ちゃんと寂しかったら言うんだよ?
俺、会いに行くから」

「新潟ですよ?」

「だから?玲織奈の為なら深夜高速ぶっ飛ばすのも平気」

「それ、私が嫌」

「じゃあ、たくさん電話してたくさん話しような」

「うん」

「堂々と言えるな」

「何の話?」

「彼女いるって生徒に」

「…………」


少しだけ俯くと、玲織奈は上目遣いで俺を見つめる。
顔を仄かに染めて。



玲織奈の手の中にある赤いピアス。
きっと、もうこれを彼女が身に着ける事はないんだろうな。