真実アイロニー【完結】



「小早川は難しいところもありますが、授業態度もとても真面目です。
別の学校に行っても、きっと大丈夫だと思います」

「……」

「暇潰しと言ってましたが、本をよく読んでいるので好きなのかなと。
もしかしたら将来、そういった方面の仕事が…って、堂島さん!?」



慌てた声を出して、俺は堂島さんに近付く。
彼女の、堂島さんの頬には涙が伝っていた。



「えっと、何かありましたか?」

「……すみません。あの子への接し方が、わからないんです。
何かするんじゃないかって怖くて。
そんな私の態度が私の子供たちにも伝染してしまって…」



そして、彼女は一人で部屋にこもる様になってしまった。

そういう事だったんだな。



「自分を大事にしない子だから、やめさせたいけどその方法も浮かばないんです。
だから、環境を変えたら大丈夫なんじゃないかって」

「……小早川の事、ちゃんと考えてくれてるんですね」



小早川の事件の事を知らない場所へ行けば。
そうしたら気兼ねなく、小早川にも友達が出来るんじゃないか。


そうやって考えててくれたんだ。