真実アイロニー【完結】


どうしたって、結局小早川の中では琥珀君が一番なんだ。
でも、そんな小早川だから俺は惹かれたんだ。



「大丈夫、どんな時でも小早川には俺がついてる」

「……先生も、離れたらきっと私の事なんて日々に埋もれて忘れるよ」

「そんな事はないよ」

「いいんです、それで。……寧ろ、そうであって欲しいんです」

「……」

「来月の14日に決まりましたんで、よろしくお願いします。
それじゃあ、失礼します」



静かに小早川は椅子から立ち上がる。
それから、ゆっくりと頭を下げた彼女は、俺の顔を一度も見る事なく部屋から出て行った。


その後ろ姿に声をかける事は出来なかった。



小早川の様子がどうしても気がかりだった。
だけど、彼女自身がどこか俺を拒んでいる様にも思える。


最初の時みたいな拒絶ではないけど、どこか遠ざけている様なそんな感覚。


転校するからなのかはわからない。