いつの間にか、布団に刻まれていた皺は少なくなっていた。
代わりにその、細い腕が伸びた先は自分の耳。赤いピアス。

……懺悔の証。



「琥珀の代わりに死にたかったな」

「……」

「琥珀のいない世界なんて、生きてても意味ないのに」


小早川の、ぎゅうっとピアスを握る手が震えていた。


咄嗟に体が動いていた。

自然と出た行動だった。


頭の後ろに手をやると、俺は小早川を強引に自分の胸に押し当てる。
華奢で、細い小早川の体を抱き締める。


強く抱いたら、壊れてしまいそうなほど。
脆い小早川の体を。


ぎゅうっと、抱き締めた。



「……せ、んせぇ」


戸惑った声が胸元から聞こえるけど、手の力を緩める事はしない。