「ありがとうございます、です」
俺が投げた林檎を両手でキャッチすると、無邪気に笑った。
らしくもないが、珍しくドキドキした。
ふと、俺は疑問を抱いた。さっきまでは確実に俺の下には林檎はなかったはずだ。林檎を下に寝転んでいたら、なにかしら違和感を覚えるだろう。なのに、この少女がきてから林檎が存在した。
どうやって林檎を出したと言うのだ?
「そのぉ、お礼といってはなんですが・・・」
少女はモジモジしつつ俺に話し掛けてきた。亜麻色の髪を持つ女なんてこの学校にはいないはずなんだが。