「あの子ね……今日、コンビニに行ったの。そしてその帰りに…」
そこまで言うとアイツのお母さんがまた泣き出した。
 嫌な予感がした。考えてみると今この車は県立病院へ向かうルートである。
「あの子、帰りに事故にあって…」
胸が次第に苦しくなる。


「意識不明の重体なの。」

 少し安心してしまった自分に罪悪感を覚えた。たとえ死んでなくても意識不明の重体。

「意識って、戻るんですか?また、学校これますか?」

「わからないの。たとえ生きれたとしても、一生意識が戻らないかもって…」

 再びアイツのお母さんが泣き出した。