次の日。
「…木村さんとはどーなったの?」
「振った」
「簡潔な答えどうも」
あの後、無事にケーキを買い、あの道へと戻ると、メガネくんはもういなかった。
まぁ、いたらいたで気まずいんだけどね?
「美味しかったなぁ…タルト」
「くそが…なんでテメェ俺の分買えよ…なんで全部食ってんだよ!!!」
家に帰って全部食べましたけど?ええ。(お母さんに嘆かれたけど)
そうこうしながら教室へ行くと、なんだか…すごい、隣のクラスが騒がしい。
「…何事?」
「さぁ」
「あー!!にこー!おはよー!」
そういって声をかけてくれるのは友達の鈴鹿、通称スーちゃん。
「おはよースーちゃん。これなに?」
「それがさぁそれがさぁ!すごいイケメンがでて来たんだよ!!」
「「いけめぇん?」」
二人して声を合わせてしまう。
イケメンが出て来た?
確かに隣のクラスにもかっこいい人はいたけど、ここまで騒がれることはなかったような。
「とにかくみてみなよーっ超超かっこいいから〜っ!!」
「うっわぁぁ?!スーちゃん?!!」
グイグイとスーちゃんに引っ張られて、人混みの中に潜り込む。
ご、強引だなぁ…!
やっと隙間を見つけ、顔を上げると__。
(……っっ)
…何て、人だろう。
栗色の髪の毛、少しだけ入った天パ。
クリッとした瞳、茶色の虹彩。
手足もスラリとしてて、鼻もすっと通っていて、とにかく…。
(…綺麗な人、だな)
男なのに、そう思ってしまった。
わたしが男に対して綺麗だと思ったのは、この人が初めてだと思う。
とにかく目を引く、そんなビジュアルだった。
「嘘でしょ…あんなイケメンいた?!」
「知らないよー!えーてか誰なの?!」
…どうやら誰も知らないようだ。
でも、この人は一体、誰なんだろう?
首を傾げる。
(…こんなにかっこいい人なら有名なはずだよね…休学して復学したとか?いやでも、それなら先生もなにか言うはずだし…)
その人は辺りを人混みに囲われているにもかかわらず、何かを探すように視線を彷徨わせていた。
キョロキョロ、キョロキョロと犬のように。
(…誰か探してるのかな?)
その時。
バチッ、と。
視線があった。
