「最初にそう答えてくれるってことは、逃げる機会を与えてくれてるんですよね。優しいですね、市松さん」
「…!!」
かぁっと顔が赤くなる。
見透かされてた!?

「でも、諦めませんよ」

「…ッエ」
視線を戻すと、霧谷くんは自分のお弁当を下ろし、向き直って言う。

「もう一度いいます。市松にこさん。俺はあなたが好きです。俺も付き合ってください。」

「…っっ」

なんで?!
なんでこうなったの?!嫌みしか言ってないのに?!
霧谷くんの顔を見れず、下を向く。

「な、なんで…!それに、わたしと霧谷くんじゃ対して仲良くなかったわけじゃないし、むしろわたし知らなかったし…!」


「好きになるのに、理由が欲しいですか?」

「っっ?!」