天狗娘は幕末剣士



「芹沢さん、お梅さんはどんな色がお好きなんですか?」




「赤が好きだと言っていたな」




「赤、ですか……」




私は、できるだけ赤が使われている簪を、いくつか選んだ。




「芹沢さん、この中でどれが1番良いと思いますか?」




「それが分からんから、お主に頼んだのではないか」




ムッとした芹沢さんに、私は慌てて訂正した。




「あ、いえ、そういうことではなく……

 どれが1番、お梅さんに似合うと思いますか?

 こればっかりは、私よりも芹沢さんの方がお分かりになると思いますし」




「……」




「それに、芹沢さんが選んだ方が、お梅さんもっとお喜びになると思いますよ」




そう言うと、芹沢さんはしばらく考え込んだあと、私の手から1つの簪を手に取った。




そしてそのまま、お店の人からそれを買った。




意外なことに、きちんとお金を払って。




お金を持っていないわけじゃないんだ……




って、それなら、あの女の人達にもきちんとお金を払わなきゃ駄目じゃん!




心の中でツッコミを入れていると、芹沢さんに「帰るぞ」と声を掛けられ、私達は屯所に向かった。