天狗娘は幕末剣士



「あの、芹沢さん、どこへ向かっているんですか?」




私の問いには答えず、芹沢さんはズンズン歩いて行く。




何よ、行き先くらい教えてくれたっていいじゃない。




歩くのも速いし……




ちょっぴりムッとしながらも、私は小走りでついて行った。




すると、あるお店の前で芹沢さんは足を止めた。




「よし、着いたぞ」




「へ?」




芹沢さんが立ち止まったのは、簪を買うお店だった。




新選組の局長が、こんな所に何の用事が……?




「あの、芹沢さん……?」




「女子の好みは、よう分からんくてな。

 お主が選んでくれぬか」




「ええ?!

 で、ですが……せ、拙者も、女子の好みはよく分からなくて……」




「何を言っておる。

 お主は女子だろう、下手な芝居はよせ」




「え……」




バ、バレてた……




そんなに私の男装分かりやすいかな……