「良い食材が沢山買えて良かったね、平助くん」
「ああ、こんだけありゃ、しんぱっつぁんも文句言わねえだろ」
籠一杯の野菜や魚を見て、平助くんは言った。
今日は私と平助くんが夕餉の当番なので、今は2人で買い物に来ている。
「あ、そういえば杏子」
「うん?」
「一くんとは仲直りできたの?」
「っ?!」
平助くんがニヤッと笑いながら聞いてきたものだから、私はびっくりして口をパクパクさせてしまった。
「っへ、平助くん、なんでそれを……」
「幹部の中じゃ有名な話だぜ?」
「……おかげさまで、無事に仲直りできました」
「へえ、そりゃ良かった」
にししっと笑う平助くん。
もしかして、おもしろがってる……?