天狗娘は幕末剣士



すっかり日が落ちてしまった京の道を、私は斎藤さんと並んで歩く。




土方さんのおつかいは、すぐに終わり今は屯所に帰っている途中だ。




だけど、ここまで私も斎藤さんも必要以上に口を開いていない。




もともとお互い話が得意な方ではないから、一緒にいても話が無いことはよくあるんだけど……




この空気、なんだかとても気まずい……




「さ、斎藤さん、月が綺麗ですね。

 ほら、今夜は満月ですよ」




「ああ、そうだな」




「はい……」




「……」




か、会話が続かない……




せっかく土方さんが、2人で話す時間をくれたのに、これじゃあ意味がないよ。




仕方ない、こうなったら、思い切っていきなり本題に踏み込んでやるう!




「あの、斎藤さん」




私は足を止め、彼を呼び止める。




「なんだ」




すると、彼も足を止め、こちらに振り返った。




「……私、どうすれば邪魔じゃなくなりますか?」