天狗娘は幕末剣士



「新見さん!」




「ん?君は確か……」




「遠野杏子です。

 あの、芹沢局長なら先程、廊下で見かけましたが……

 呼んできましょうか?」




「ああ、いいのだよ。

 芹沢さんから、彼女達が来たら、自分は居ないと伝えてくれと言われているんだ」




「え……」




それだけ言うと、新見さんはスタスタと歩いてどこかに行ってしまった。




「……芹沢さん、居留守を使ったの……?」









「ああ、いつものことだ」




巡察中に、さっき見たことを話すと、ため息混じりに斉藤さんが答えた。




「新選組の芹沢は、買い物をしてもろくに金を払おうとしない。

 街では有名な話だ」




斉藤さんは、もう1度ため息をついた。




そうだったんだ……




それは確かに、ひどい話だな。




あの女の人達が怒ってたのも、分かる。




「……おい」




「はい?」




急に斉藤さんが足を止め、私を呼び止めた。