天狗娘は幕末剣士



総司はチラッと私を見ると、ニヤッと笑った。




「ね、ちょっと待っててくれる?

 もう少しで、他の隊士は帰ると思うから」




「え?ああ、おう」




すると、平助くんがコソッと耳打ちしてきた。




「杏子、一応俺の後ろに隠れてて」




「うん、分かった」




訳の分からないまま、私と平助くんは他の隊士さん達が帰るのを道場の隅で待っていた。




しばらくすると、全員帰ったみたいで、私達は総司に手招きされた。




「斉藤くん、ちょっと来てくれる?」




総司、何をするつもりなんだろう。




まだ、彼の考えを察することができない。




「なんだ、沖田」




斉藤さんが来ると、総司は私の後ろにまわって、私の肩に手を置いた。




「杏子ちゃんが、斉藤くんと手合わせしたいって」




そう言って、総司はトンっと私の背中を押した。




その拍子に、足が2、3歩前に出る。




……え?




総司、今なんて……