「え、杏子、昨日の巡察中に不逞浪士と斬り合いになったんでしょ?
その時見たんじゃないの?」
「あ、あの時は、自分のことで精一杯だったっていうか……」
すると、うーんと考え込んでしまった平助くん。
「じゃあ、俺達の稽古が終わったら、見に行く?」
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「あー、もう終わっちゃったか……」
八番組の稽古が終わった後、私は平助くんと共に道場に来ていた。
ひょこっと入口から中を覗くと、一番組と三番組の人達が丁度、稽古を終えたところの様だった。
「もう少し早く来ればよかったなー。
ごめんな、杏子」
「ううん、大丈夫だよ」
だけど、ちょっぴり残念。
斉藤さんの剣をじっくり見られると思ったのに……
「あれ、平助。
どうしたの、何か用?」
すると、そこへ手拭いで汗を拭いながら、総司が近寄ってきた。
「総司!
いや、別に大したことじゃないんだけどさ。
杏子が一くんの剣術を見たいって言うから、来てみたんだけど……
もう、稽古終わっちゃったみたいだな」
「ふうん、なるほどね……」


