天狗娘は幕末剣士



「っく……」




早くて重い打ちを、私はギリギリでかわしていく。




お互い、なかなか1本が取れないまま、しばらく攻防戦を繰り広げていた。




「っはあ……はあ……」




「隙ありっ!!」




「っ!!」




気付いた時には、もう遅かった。




平助くんの竹刀が、私の眉間の寸前で止まる。




ちょっとの隙を突かれて、私は平助くんに1本取られ、負けてしまった。











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ひと通り稽古が終わり、私は1人、木陰で休んでいた。




「杏子、隣いいか?」




「平助くん!うん、いいよ」




首に手拭いをかけた彼は私の隣に腰を下ろし、ふぅっと息をついた。




「お疲れ様。

 平助くん、とっても強いんだね。
 
 私、びっくりしちゃったよ」




「へへっ、まあな!」




得意げに笑う平助くん。