天狗娘は幕末剣士



結局、監察方にも今日は大きな仕事は無く、山崎さんは快く送り出してくれた。




平助くんに指定された場所に行くと、既に他の隊士さん達が集まっていた。




道場は他の組が使ってるから、今日は外でやるらしい。




「遅くなってすみません!」




「いや、俺達も今来たから大丈夫だよ」




平助くんは、ニコッと笑って許してくれた。




「よし、じゃあ始めるぞ!」




「「はい!」」




新選組には、異なる流派の人達が集まっている。




決まった1つの流派が無いから、形稽古はできないらしい。




形稽古っていうのは、自分の流儀の形を磨くための稽古のこと。




だから、新選組の稽古は、竹刀打ち込み稽古に限られているみたい。




「やああ!」




1人ずつ、隊士さんが雄叫びを上げて、平助くんに打ち込んで行く。




でも、平助くんはそれを軽くいなして、あっという間に返り討ちにしてしまった。




それも、1人だけじゃなく、何人も……




私は、平助くんの剣術に魅入ってしまった。




「すごい……」




次々と隊士さん達を倒していく平助くんを見て、ポロッと口から零れた一言だった。